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腹水穿刺、胸水穿刺

[2024.06.10]

悪性腫瘍の終末期では癌性腹水で苦しんでおられる方も多いのではないでしょうか。癌性腹水の症状に対しては腹水穿刺による排液の効果があり、90%近くの方は症状の改善を得ることができます。頻回となる方は腹水穿刺を1週間毎に行うこともあり、1回あたり、数リットルの排液を行うこともできます。

 

病院では一般的に行うことができる処置ではありますが、訪問診療による腹水穿刺は安全に施行することは可能なのでしょうか。実は穿刺そのものに関しては現在はポータブルエコーがあるため、比較的安全に穿刺することができるようになっています。腹水穿刺では排液による血圧変動もそこまで起こりやすいわけではないため、訪問診療の領域でも安全に2-4リットルの腹水穿刺排液はできます。

 

また、癌性胸水に対しての胸水穿刺も呼吸症状の改善に役に立ちます。こちらは腹水穿刺よりはリスクは高くなりますが、訪問診療の領域でもポータブルエコーを使用して行うことができます。1回あたりの安全に排液できる量は最大でも1.5L程度です。

 

腹水穿刺も胸水穿刺も症状緩和に効果的な方法であり当院でも訪問診療において対応することができます。

ただし、侵襲を伴わない代替手段として、麻薬調整による腹部膨満感や疼痛、呼吸困難感の軽減という手段があることもお伝えいたします。

侵襲的な手段を行う際は、そのメリット・デメリットを十分に理解の上判断できるよう、十分な情報提供を行うことを心がけております。

 

どのような方法であっても、ご本人様のご負担、苦痛が少なく納得のいく方法を選択することが重要だと考えています。

終末期では様々な選択をしなければならないことがありますが、ご本人様、ご家族様、医療スタッフの皆様と十分に相談しながら、納得のいく決断ができるようにサポートいたしますのでご安心ください。

 

明石、神戸(垂水区、須磨区、西区)で訪問診療・在宅医療・緩和ケア・往診ができるよう準備をしています。

ささえ在宅クリニック 院長 高山弘志

 

参考文献:

・Becker G, Galandi D, Blum HE. Malignant ascites: systematic review and guideline for treatment. Eur J Cancer 2006; 42:589.

・Saif MW, Siddiqui IA, Sohail MA. Management of ascites due to gastrointestinal malignancy. Ann Saudi Med 2009; 29:369.

・Seah DS, Wilcock A, Chang S, et al. Paracentesis for cancer-related ascites in palliative care: An international, prospective cohort study. Palliat Med 2022; 36:1408.

・Zama IN, Edgar M. Management of symptomatic ascites in hospice patients with paracentesis: a case series report. Am J Hosp Palliat Care 2012; 29:405.

・Krenke R, Grabczak EM. Pleural manometry and thoracentesis-is the issue resolved? Lancet Respir Med 2019; 7:374.

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