経鼻胃管をエコーで確認する方法
在宅医療の現場では一時的に経鼻栄養チューブから栄養を投与している患者様もいらっしゃいます。
胃管を挿入した場合はチューブが気管ではなく消化管に確実に入っているかの確認が必要になってきます。胃での気泡音、胃酸逆流の確認などの方法がありますが、病院であれば最終的にはレントゲンで確認するのではないでしょうか。
しかし、訪問診療でのレントゲンのハードルは高いため、代替手段が必要になります。
そこで、今回はポータブルエコーでの経鼻胃管の確認方法を紹介いたします。
エコーで経鼻胃管を確認するためには、きちんと食道を描出する必要があります。
エコーはリニア型プローブがおすすめです。
手順は下記です。
①左頸部で左鎖骨上縁と水平方向にプローブをあてる
②気管・甲状腺・左総頸動脈を描出する
③層構造のある食道管腔を探す
④食道管腔内に白い構造物として描出される胃管を確認する
⑤胃管を上下方向に追いかけたり、揺すったりして最終確認
イメージ画像が欲しかったので、自分の食道をエコーで描出してみました。
気管、甲状腺、総頸動脈、食道の位置関係はこんな感じです。
胃管は下記のように白い構造物として描出できます。
さすがに自分に胃管を入れることはできなかったので胃管のイメージ図です。
食道は伸縮する臓器です。
エコーでみながら水分(黒く描出)を摂取してみると下記のよう変化します。
飲水により拡張するのがわかるので、ここが食道であることがわかります。
このように特殊な場面でも超音波検査は役に立ちます。
当院では心エコー、肺エコー、腹部エコーなど様々な場面で超音波検査を行うことができます。
在宅で療養しておられる患者様にとって、低侵襲で負担の少ない方法で診療できるよう心掛けております。
明石、神戸(垂水区、須磨区、西区)で訪問診療・在宅医療・緩和ケア・往診ができるよう準備をしています。
ささえ在宅クリニック 院長 高山弘志