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癌末期・緩和ケアの在宅医療を支えるために

[2025.10.12]

悪性腫瘍、いわゆる癌の診療は、病状の進行や治療方針の変化に伴い、常に複雑な判断を求められる領域です。治療の過程で多くの葛藤を抱えながらも、「自宅で過ごしたい」「家族とともに最期まで生活を続けたい」と希望される方は少なくありません。当院では、そうした方々の思いを尊重し、癌末期・緩和ケアにおける在宅医療には特に力を入れています。

在宅での緩和ケアを始めるまでに、患者様やご家族様は本当に多くの選択と決断を重ねてこられます。どのような医療を受けたいのか、どこまで介入を希望するのか、何を大切にして人生の最終段階を過ごしたいのか。そのような希望や価値観は、時間の経過とともに変化していくものです。私たちは、その変化を丁寧に受け止めながら、「今、この瞬間の思い」に沿った診療を行うことを大切にしています。

医療行為や薬の使い方において“正解”はありません。その時々の状況を見極め、患者様・ご家族様・在宅医療に関わる支援者が一緒に話し合いながら、最も納得のいく形を探していくことが重要だと考えています。在宅での緩和ケアで何より大切なのは、医療行為そのもの以上に、日々の暮らしの質を保つことです。当院では、訪問看護や介護、ケアマネジャー、薬局など、地域の多職種の方々と密に連携し、その方らしい療養生活を支えることを目指しています。

体調や生活に変化があったときにはすぐに情報を共有し、関係職種と相談しながら柔軟に対応するようにしています。リアルタイムでの意見交換を重ね、ご家族様も含めたチーム全体で方針を確認し合うことで、より安心のできるサポート体制になると考えています。

これからも医療・介護の皆様と協力しながら、患者様とご家族様が安心して在宅での緩和ケアをを受けることができるよう、努力を続けてまいります。

ささえ在宅クリニック

院長 高山弘志

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