なぜ在宅医療を始めるのか
なぜこれから在宅医療・訪問診療を始めるのかについてお伝えしたいと思います。
私がそもそも消化器内科を自分の専門として選んだ理由は癌の患者さんを救いたいという思いが強かったからです。
これまでも述べてきましたが、癌の治療で最も重要なことは早期発見・早期治療です。この段階にアプローチすることができれば、多くの人が救われるという考えがあり、私は内視鏡治療に本気で取り組んできました。
一方、消化器内科医として末期癌となってしまった方を診療する機会も多くありました。そのような場合、抗癌剤治療や緩和ケアを行ってきました。
現在、早期癌治療の領域はこれまでの先人の努力により成熟した領域となってきました。
一方で、末期癌に対してはまだまだ十分な治療ができておらず、特に緩和ケアの領域に携わる医療者は多くないのが現状です。
私は、癌治療に携わってきたものとして、病気が進行してしまい、今まさに病気によって苦しんでいる人に対しても十分な医療を届けたいという思いがあります。
社会全体を見渡してみると、高齢化社会が進む中で癌だけでなく様々な病気を患った状態でも通院することが困難な方や、ご自宅での療養を希望される方が増えています。
病院での医療だけでなく在宅医療への取り組みは、超高齢化社会を迎える日本が直面する社会問題への取り組みでもあります。
病院での医療を受けることができなくなった方、ご自宅での療養を希望される方たちへも十分な支援をしていくことが私の次の目標です。
助けを必要としている全ての人を平等に支えることができるように、在宅医療の領域においても全力で診療をしていく決意です。
また私は常に弱い立場にある人達の味方でありたいという思いがあります。当院は小さなクリニックから始まりますが、最終的には医療のみならず、社会全体において様々な助けを必要とする人達を支援できる組織を目指していきます。
明石、神戸(垂水区、須磨区、西区)で訪問診療・在宅医療・緩和ケア・往診ができるよう準備をしています。
ささえ在宅クリニック 院長 高山弘志